“抗(た)” の例文
小親が軽(かろ)き身の働(はたらき)、躍れば地(つち)に褄(つま)を着けず、舞の袖の飜るは、宙(そら)に羽衣懸(かか)ると見ゆ。長刀(なぎなた)かつぎてゆらりと出づれば、手に抗(た)つ敵の有りとも見えず。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
トップ・ラインの女工たちが、蓋を揃えたり、数えたりしながら何か歌っている声が、どうかした機械の轟音のひけ間に聞えた。——天井の鉄梁(ビーム)が機械の力に抗(た)えて、見えない程揺れた。
工場細胞 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)