“惑(ひ)” の例文
私は母の生活を目許することが敵はぬながらに、母に惑(ひ)かるゝ子の感情を持ち扱ふのみだつた。
剥製 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
「何にも心を惑(ひ)かれるものはない、描(か)きたい風景さへもない。」などゝ云ひながら——「あゝ、つまらないところだ、俺には故郷などいふものに囚はれる気持は始めからないのだ。」
鶴がゐた家 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)