“性急”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
せっかち60.2%
せつかち25.3%
せいきゅう6.0%
せいきふ2.4%
せわ1.2%
せわし1.2%
せッかち1.2%
そそくさ1.2%
そゝくさ1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その養子というのは、日にやけた色の赤黒い、巌乗(がんじょう)づくりの小造(こづくり)な男だっけ。何だか目の光る、ちときょときょとする、性急(せっかち)な人さ。
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
言ふ迄もなく掌面には米粒を蒔いておくのだが、これには性急(せつかち)が何よりも禁物で、どんなに早くても四時間はかゝると言つてゐる。
中村警部が、性急(せいきゅう)にたずねました。ほかの人たちも、総監をはじめ、じっと名探偵の顔を見つめて、返事を待ちかまえています。
怪人二十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「構(かま)あねえで置(お)け、耕(うな)つてあつちへ行(い)つてからにしろ」勘次(かんじ)は性急(せいきふ)に嚴(きび)しくおつぎを止(と)めた。おつぎは仕方(しかた)なく泣(な)くのも構(かま)はずに耕(たがや)した。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
法水がそう云い終ると同時に、クリヴォフ夫人は憤懣の遣(や)り場を露骨に動作に現わして、性急(せわ)しく二人を促し立ち上った。そして、法水を憎々しげに見下して悲痛な語気を吐き捨てるのだった。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「今入れているじゃありませんか、性急(せわし)ない児(こ)だ」と母は湯呑(ゆのみ)に充満(いっぱい)注(つ)いでやって自分の居ることは、最早(もう)忘れたかのよう。二階から大声で
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「もうすこし。お前さんも性急(せッかち)だことね。ついぞない。お梅どんが気が利(き)かないんだもの、加炭(つい)どいてくれりゃあいいのに」と、小万が煽(あお)ぐ懐紙の音がして、低声(こごえ)の話声(はなし)も聞えるのは
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
と云ひ乍ら、野村は暖炉の側(わき)にあつた椅子を引ずつて来て腰を下した。古新聞を取つて性急(そそくさ)に机の塵を払つたが、硯箱の蓋をとると、誰が使つたのか墨が磨(す)れて居る。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
古新聞を取つて性急(そゝくさ)に机の塵を拂つたが、硯箱の蓋をとると、誰が使つたのか墨が磨れて居る。「誰だらう?」と思ふと、何だか譯もなしに不愉快に感じられた。
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)