“峰(お)” の例文
峰の松原も、空様(そらざま)に枝を掻き上げられた様になって、悲鳴を続けた。谷から峰(お)の上(へ)に生え上(のぼ)って居る萱原(かやはら)は、一様に上へ上へと糶(せ)り昇るように、葉裏を返して扱(こ)き上げられた。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
其で思い合せられるのは、此頃ちょくちょく、子(ね)から丑(うし)の間に、里から見えるこのあたりの峰(お)の上(え)に、光り物がしたり、時ならぬ一時颪(いっときおろし)の凄い唸(うな)りが、聞えたりする。今までついに聞かぬこと。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)