“尊(た)” の例文
何しろ新材料(はやみみ)と云う所(とこ)で、近所の年寄や仲間に話して聞かせると辰公は物識(ものし)りだと尊(た)てられる。迚も重宝(ちょうほう)な物だが、生憎(あいにく)、今夜は余り材料(たね)が無い。
越後獅子 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
就中(なかんづく)、老母は我が元来の虚弱にて学道(まなびのみち)に底なき湖(うみ)を渡るを危ぶみて、涙を浮べて我が健全を祈るなど、都に多き知己にも増して我が上を思ふの真情、ありがたしとも尊(た)ふとしとも言はん方なし。
三日幻境 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)