“嬢(こ)” の例文
旧字:孃
「うんにゃ、あのまた気高い処から言語(ことば)付の鷹揚な処から容子(ようす)がまるで姫様よ。おいら気が臆(おく)れて口が利悪(ききにく)い。」「その癖優しい嬢(こ)だ。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いゝ器量で大柄で人柄の好(い)いお嬢(こ)でげすね、お前さんが時々異見(いけん)を云って下さるから、何(ど)うか止してえと思うが、資本(もとで)は無し借金は有るし何うする事も出来ねえ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
いでまずこの嬢(こ)を救い出(いだ)さん、家の案内は心得たれば背負うて遁げんに雑作は無しと幕を掲げて衝(つ)と出でたり。不意に驚き
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お止(よし)なさいな、貴方はあの嬢(こ)に未練があるので…旦那は一度半治さんを掛合にお遣んなすったら縁付いたと聞いて、諦めても矢張(やっぱり)惚れて居るので……貴方が穴掘の形は團十郎が狸の角兵衞を
へい、あの婆様(ばあさん)はどこへ行ったか居りません。「そうだろう。彼奴(あいつ)もしたたか者だ。お藤を誘拐(かどわか)して行ったに違いない。あの嬢(こ)はまだ小児(こども)だ。 ...
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それ三年前(あと)堤方村(つゝみかたむら)の葭簀張(よしずっぱ)りに茶の給仕していた岩瀬と云う元は立派な侍の娘が、粥河様と一緒になったと云う事だが、その奥様が死んだと云うと、あのおらんさんと云う嬢(こ)が死んだのだねえ
あの嬢(こ)が饒舌(しゃべる)と一切の事が発覚(ばれ)っちまう。宜しい銀平にお任せなさい。のう、銀平や、お前はそういうことには馴(な)れているから、取急いで探しておあげ申しな。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
勘「なに死ねば宜(い)いや、兎も角も美(い)い嬢(こ)ですねえ」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
お丹は脈を伺いて、「ああ失策(しまっ)た。」と叫びしが、気を変えて冷笑(あざわら)い、「おい婆様(ばあさん)、お前の口に合うように料理をしたばかりに、とうとうこの嬢(こ)を殺したよ。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
女「あゝ美い嬢(こ)だねえ、人柄がいゝねえ」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)