“唖(あ)” の例文
私は、半ば唖(あ)ッ気(け)にとられながら、その釦を押した。何処かで、かすかに合図の鈴(ベル)が鳴ったようだ——。どうも実に風変りなバー・オパールである。
白金神経の少女 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
と、道場で彼と槍を合せた鉄舟は、殆ど、唖(あ)然たるばかりな驚きに打たれた。
剣の四君子:04 高橋泥舟 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
榛軒がしほに生ませた女(むすめ)かえは、一時池田京水の次男全安(ぜんあん)を迎えて夫としていたが、全安が広く内科を究めずに、痘科と唖(あ)科とに偏するというを以て、榛軒が全安を京水の許(もと)に還したそうである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)