“匍”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
は93.2%
ば2.0%
ほ1.4%
うづくま0.7%
はう0.7%
ばい0.7%
へたば0.7%
ハラバ0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
こう云いながら、女は座敷の中央の四角な紫檀(したん)の机へ身を靠せかけて、白い両腕を二匹の生き物のように、だらりと卓上に匍(は)わせた。
秘密 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
畳のうえに腹匍(ば)いになって、鼻の穴をほじりながら、気がなさそうに走り読みをしては放り出す。馬鹿でなければ、よほど鋭い頭の持主なのかもしれぬ。
顎十郎捕物帳:04 鎌いたち (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
壇の浦で有名な平家蟹(へいけがに)などは八本ある足の中の四本を用いて、蛤(はまぐり)のごとき貝の空殻(あきがら)を背負い、他の四本で匍(ほ)うている。
自然界の虚偽 (新字新仮名) / 丘浅次郎(著)
理髮店に歸ると、源助は黒い額に青筋立てて、長火鉢の彼方(あつち)に怒鳴つてゐた。其前には十七許りの職人が平蜘蛛(ひらくも)の如く匍(うづくま)つてゐる。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
また凡て羽翼(つばさ)ありて匍(はう)ところの者は汝らには汚(けがれ)たる者なり汝らこれを食(くら)うべからず。
正義と微笑 (新字新仮名) / 太宰治(著)
ヴァランタンは四つん匍(ばい)になって、おそろしく細密な職業的な注意を払って、死体の附近二十碼(ヤード)四方の叢(くさむら)や地面を検(しら)べた。博士も下手ながら英大使もうろうろしながら手伝った。
其前には十七許りの職人が平蜘蛛の如く匍(へたば)つてゐる。此間から見えなかつた斬髪機(バリカン)が一挺、此職人が何処かに隠し込んで置いたのを見付かつたとかで。お定は二階の風呂敷包が気になつた。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
山背川の川原にあつた御殿のことゝて、水層が増して来た。匍(ハラバ)ひながらお庭に平伏してゐる時、水は段々川を氾えて其腰のあたりにとゞいた。
日本文学の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)