“們(ら)” の例文
さるによつて僕(やつがれ)は、常に和殿們(ら)を貴とみ、早晩(いつか)は款(よしみ)を通ぜんとこそ思へ、聊(いささ)かも仇する心はなきに、何罪科(なにとが)あつて僕を、噬(かま)んとはしたまふぞ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
かくて時刻も移りしかば、はや退(まか)らんと聴水は、他の獣們(ら)に別(わかれ)を告げ、金眸が洞を立出でて、倰僜(よろめ)く足を踏〆(ふみし)め踏〆め、わが棲居(すみか)へと辿(たど)りゆくに。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
その後(のち)他の獣們(ら)の風聞(うわさ)を聞けば、彼の黄金丸はその夕(ゆうべ)、太(いた)く人間(ひと)に打擲(ちょうちゃく)されて、そがために前足痿(な)えしといふに。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)