“騾(ら)” の例文
するとそれから、騾(ら)をつないであるアカシヤのしたまで来ると、とたんに、そばの草叢(くさむら)がガサガサっと動いた。
一週一夜物語 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
perceptual な叙述のもっとも簡便な形式は洋卓(テーブル)は唐机(とうづくえ)のごとしとか、柹は赤茄子のごとしとか、驢(ろ)は騾(ら)のごとしとか、すべて眼に見、耳に聞き、手に触れ、口に味わい
創作家の態度 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
『孔叢子(こうそうし)』にこの獣甘草(かんぞう)を食えば必ず蛩々(きょうきょう)とて青色馬(あおうま)に似た獣と駏驉(きょきょ)とて騾(ら)のごとき獣とに遺(のこ)す、二獣、人来るを見れば必ず蹶を負うて走る、これは蹶を愛するでなくて甘草欲しさだ
車挽きて騾(ら)と驢馬(ろば)と行くしづかなる夕かげの野に我も在るなり
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
いわく、〈近代阿蘭陀(オランダ)の献る遍体黒白虎斑の馬あり、馬職に命じてこれを牧養せしむ、馬職これに乗りこれに載す、ともに尋常の馬に及ばず、ただ美色と称(い)うのみ、あるいは曰く騾(ら)の族なり云々〉と。
騾(ら)と馬と竝び曳き行く荷の車焼鍋(ランチウ)ならし甕(かめ)高く積む
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)