“遥(は)” の例文
遥(は)る遥(ば)る携えたシガーは、曇り日でもカサカサに乾き切って、葉の破れを両手に、尺八を吹くような始末でなければ、煙はなかなか口には来ない。
スウィス日記 (新字新仮名) / 辻村伊助(著)
彼女は遥(は)る遥(ば)るロンドンの下町から地下鉄やバスに乗って、此の男達に連られて来たのであった。
決闘場 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
こんな原ッパのまん中に遥(は)る遥(ば)るとやって来て、たった一人で傷つきたおれている自分の運命までもが、今更にシミジミとふり返られて、恐ろしくて堪らなくなりましたので
死後の恋 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
縁談(えんだん)がすっかり整(ととの)った時(とき)に、敦子(あつこ)さまは遥(は)るばる三浦(みうら)まで御挨拶(ごあいさつ)に来(こ)られました。
半時間ばかりでシュピーツの城の水際に着いて、別れて同じ舟をかえすと、遥(は)る遥(ば)ると見渡される湖水のなかほどから北は、蒼白ろくぼうっと光って、すぐ右手につき出した
スウィス日記 (新字新仮名) / 辻村伊助(著)
フォゲーゼン Vogesen やシュワルツワルト Schwarzwald の山脈が、バルデック Baldegger See を覆う雲の上に、遥(は)る遥(ば)ると見渡される。
スウィス日記 (新字新仮名) / 辻村伊助(著)