“赭(か)” の例文
そのしたの、風化した花崗石(グラナイト)のまっ赭(か)な絶壁。そこから、白雲と山陰に刻まれはるばるとひろがっているのが、悪魔の尿溜につづく大樹海なのである。
人外魔境:01 有尾人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
その、土中の塩分がしだいに殖えてゆくのが、地獄の焦土のようなまっ赭(か)な色から、しだいに死体のような灰黄色に変ってゆく。やがて塩の沙漠の外れまできたのである。
人外魔境:10 地軸二万哩 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
あの時わっしは、あの向き合わせを見ると、思わずそれに、暹羅(シャム)兄弟が聯想されて、赭(か)っとなりました。そして、たぶん切りつける所作(しぐさ)の拍子に、逢痴の咽喉を刺したのかも知れませんよ。
人魚謎お岩殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)