“虜(ろ)” の例文
思うに、彼が死せずして虜(ろ)に降(くだ)ったというのも、ひそかにかの地にあって何事か漢に報いんと期してのことではあるまいか。……
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
霍去病(かくきょへい)が死んでから十八年、衛青(えいせい)が歿(ぼっ)してから七年。浞野侯(さくやこう)趙破奴(ちょうはど)は全軍を率いて虜(ろ)に降(くだ)り、光禄勲(こうろくくん)徐自為(じょじい)の朔北(さくほく)に築いた城障もたちまち破壊される。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
翌、天漢(てんかん)三年の春になって、李陵(りりょう)は戦死したのではない。捕えられて虜(ろ)に降ったのだという確報が届いた。武帝ははじめて嚇怒(かくど)した。即位後四十余年。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)