“眠(よ)” の例文
折角やう/\のこと夜中時分にどうやらお眠(よ)りなすつたらしいところを、この人が目をさましてお泣きになると、私は身を切られるやうでしたよ。
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
「矢張りお眠(よ)ったままで『済まん、細木永之丞君、命令だったからじゃ、済まん』と、仰有(おっしゃ)ったじゃアありませんか」
甲州鎮撫隊 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「だツてさ、お前、其様なにお眠(よ)ツちや、瞳(くろめ)が溶(とろ)けてお了ひなさるよ。じようだんじやないわね。」
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
是(こ)れは水飴でございますが、夜分になりますとお咳が出ますとのこと、其の咳を防ぎますのは水飴が宜しいとのことで、これは極製(ごくせい)の水飴で、これを召上れば宜くお眠(よ)られます
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「でも、熟(よ)くお眠(よ)ツてゐらツしやるんだもの、惡いわ。」と今度は圓(まる)い柔な聲がする。基れはお房で。周三は何といふことは無く熟(じつ)と耳を澄ました。眼はパツチリ覺めて了つた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)