“発(で)” の例文
旧字:發
その日、私達は定刻にリオン停車場を発(で)て、約三時間駛(はし)りました。馬鹿に熱くるしい日で、速力のはやいにも拘らず、汽鑵(きかん)台へ来る風が息づまるようでした。
大抵のものは泣いてしまいます。縦令(よしん)ば歯を食い縛って堪えても、身体の方が承知しないで、きっと熱が発(で)る、五六日は苦しむ。これで大抵のものは降参してしまうのです。
三浦老人昔話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「有難う。だが、すこし熱が発(で)ると、すぐ、夢に見て仕方がねえ」
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「手のね、指の爪(つめ)の間から、青い光りが発(で)るようで——」
モルガンお雪 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)