“棋(ご)” の例文
これを終れば、日記を附ける。次でまた読書する。倦(う)めば保を呼んで棋(ご)を囲みなどすることもある。寝(しん)に就くのは十時である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
棋(ご)など打っている年老(としと)った紳士も二、三人紛れ込んでいたが、その心持は、周囲の学生連と大した相違はなさそうに見えた。
黴 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
人が来ると三娘は隠れた。二人はそうして五、六月もいた。范祭酒と夫人がそれを訊き知った。ある日二人が棋(ご)を囲んでいると、夫人が不意に入って来て、三娘をじっと見て驚いて
封三娘 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
主人も客も湯帷子(ゆかた)に着更へて、縁側近く据わつて、主人と背の高い赭顔(あからがほ)とが棋(ご)を打つのを、小男の客が見てゐる。
金貨 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
純一は象棋(しょうぎ)も差さず棋(ご)も打たないので、棋を打っている人を見ると、単に時間を打ち殺す人としか思わない。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
或る会の席でその男が、打たずにいる間に棋(ご)が上がると云う経験談をすると、教員の山村さんが、それは意識の閾(しきい)の下で、棋の稽古をしていたのだと云った事がある。今書いたら書けるかも知れない。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
閑人が往々棋(ご)を囲みかるたをもてあそぶゆえんである。
なかじきり (新字新仮名) / 森鴎外(著)