“春寒”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はるさむ80.0%
しゆんかん12.0%
はるさ4.0%
しゅんかん4.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
突然こんな話を聞かされた私も、いよいよ広い座敷の春寒(はるさむ)が襟元まで押寄せたような心もちがして、「成程(なるほど)」と云う元気さえ起らなかった。
疑惑 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
夜哭きする食用蛙風にゐて春寒(しゆんかん)なれや咽喉(のみど)つづかず
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
笑うと口の奥(おく)がくらく見えた年よりのことである。春寒(はるさ)むの道ばたに、ただの日光をうけた蕾(つぼみ)をふくらませていた山吹である。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
将軍に従った軍参謀の一人、——穂積(ほづみ)中佐(ちゅうさ)は鞍(くら)の上に、春寒(しゅんかん)の曠野(こうや)を眺めて行った。が、遠い枯木立(かれこだち)や、路ばたに倒れた石敢当(せきかんとう)も、中佐の眼には映らなかった。
将軍 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)