“喀(は)” の例文
無理に無理を押し通して立働(たちはた)らいていたばかりでなく、昨年の正月に血を喀(は)いてたおれた時にも、死ぬが死ぬまで意識の混濁(こんだく)を見せなかったものである。
木魂 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
なあに、武男さんはまだ帰って来ないから、相談も納得もありゃしないが、お浪さんがまた血を喀(は)いたンだ。ところで御隠居ももうだめだ、武男が帰らんうちに断行するといっているそうだ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
もう一つの方は、極めて微妙な・徴候の容易に認め難い病気であって、軽い咳(せき)が出、顔色が蒼ざめ、身体が疲れ、痩せ衰えて何時(いつ)の間にか死ぬのである。血を喀(は)くこともあれば、喀(は)かないこともある。
南島譚:01 幸福 (新字新仮名) / 中島敦(著)