“仰(む)” の例文
平田は上を仰(む)き眼を合(ねむ)り、後眥(めじり)からは涙が頬へ線(すじ)を画(ひ)き、下唇(したくちびる)は噛まれ、上唇は戦(ふる)えて、帯を引くだけの勇気もないのである。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
纈(くく)り腮(あご)をわざと突き出したほど上を仰(む)き、左の牙歯(いときりば)が上唇(うわくちびる)を噛(か)んでいるので、高い美しい鼻は高慢らしくも見える。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)