“亨(う)” の例文
明(みん)代も元(げん)の後を亨(う)けて、小説戯曲類は盛んに出て居ります。小説では西遊記(さいゆうき)、金瓶梅(きんぺいばい)のたぐいは、どなたもよく御承知でございます。
亨(う)けているものだ。末々、よいさむらいになるだろう。松千代の友だちにはちと頑是(がんぜ)なさ過ぎるが、よう育ててやれよ
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いや、習慣的といふよりか、子供によつては先天的に、さういふ血を亨(う)けてゐるのであつた。
チビの魂 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
雌の大蛇が千年の寿を亨(う)けると、胴体に四つの肢を生じて妖精となると聞きました。
岩魚 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
同じく生をこの世に亨(う)けて、一人はもてはやされる力に充(み)ちた体をもち、一人は女にまで蔑(さげす)まれる弱々しい体をもっている、甚だしいこの差別を持って生れて来たのを、天賦(てんぷ)だというだけで
討たせてやらぬ敵討 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
滝太郎は生れながらにして賊性を亨(う)けたのである。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)